「ビオラ」カテゴリーアーカイブ

私がビオラを選んだ理由

いきなりビオラを弾き始める人は稀です。多くは、バイオリンやってた人がビオラの良さに気付いてビオラに転向するか、ビオラが人手不足のために、バイオリンやってる人が一時的に嫌々ビオラパートに入るようなパターンです。

私は変態なので、いきなりビオラです。いや、ちゃんと理由はあるんですよ? 私は広島出身なのですが、広島周辺で活躍されているビオラ弾きの方がいらっしゃるのです。中学校の卒業式の日に二次会的な謝恩会というイベントがあって、その際ゲストでいらっしゃったのが沖田さんでした。旦那さんがビオラで、奥さんがピアノ。夫婦で音楽活動されている素敵な方です。

沖田孝司オフィシャルHP
https://sites.google.com/site/okitatakashiofficialhp/purofiru

私の学校は中高一貫校だったのですが、部活で音楽をやりたいと思いつつ、身体があまり強くなかったこともあり中学校では体育会系の部活をしていました。と言っても卓球部なんですけどね…。高校からは音楽をやろうと思っていた矢先、沖田さんの演奏を聴いたのでした。私も当時は詳しいことが分かっていないので、弦楽器やるならバイオリンだろうと思っていました。でも、沖田さんのビオラの音色を聞いて、あれ…、この音がバイオリンの音じゃないの? この音に感銘を受けてしまったのなら、バイオリンでは満足できないのではないか・・・。

そうして、高校・大学と室内楽でビオラを弾き続け、社会人になってからは1.5年だけオーケストラをやっていました。楽団での演奏に自分は向いていないなと思いつつ、ビオラはいつでも大好きです。しばらくしまったまま、日の目を見させてあげられていないシュベルツァー。ごめんけど、もう数年待っててね。落ち着いてから、また一緒に音楽やろうね。

ショスタコーヴィッチ ピアノ協奏曲 第1番(Op.35)

ショスタコネタ連投ですが、この曲は大学3年の時にやった曲です。ピアノ+トランペット+弦楽オーケストラという編成。1楽章の終盤にビオラが丸裸になる、とてもやりがいのある曲でした。

Op.35なのでビオラソナタと比べると、ずいぶん若い頃の作曲になります。調べてみると27歳ぐらいで作曲した曲のようですね。

▼1楽章のビオラの見せ場は5:15~5:35。

▼続き。3楽章の一発目の和音(4:18)が好き。

4楽章の終盤でバッチンバッチンやっているところがあるのですが、あれのことをバルトーク・ピチカートと呼びます。動画見ててもよく分かんないな…。11:53~12:00のことです。チェロ・バスが頑張ってるハズなのに聞こえない…。

普通のピチカートとは違い、弦を引っ張り、勢い余った弦を指板にぶち当てて音を出します。もはや打楽器。チューニングが狂っちゃうし楽器が痛むし、他の楽器が鳴ってるとさほど聞こえないし…。散々な奏法ですが、現代音楽ならではで面白いです。ビオラの譜面には出てきませんけどね? 余談ですよ。

ショスタコーヴィチのビオラソナタ(Op.147)

ショスタコーヴィチの作品はOp.147までありますが、彼が人生の最期に作曲した曲がビオラソナタだったりします。初演の際には、ショスタコの席に花が飾られていたのだとか。亡くなる直前まで作曲して、しかもそれがビオラの曲だったという。ビオラ弾きとしてはテンション上がりますよ。

※Opはオーパスと読みます。作品番号の意味です。モーツアルトの場合にK(ケッヘル)が使われるぐらいで、あとの作曲家は基本Opですね。

大学時代に知った曲なのですが、なかなかに変わった曲です。ショスタコは世界三大ネクラ作曲家の1人として有名ですが、なんかとても、らしい曲です。

※世界三大ネクラ作曲家のあと2人は、ブラームスとチャイコフスキーらしいです。3人とも好きな作曲家です。

▼こんな曲です

大学の卒業時点で1楽章を演奏しましたが…、この人みたいには弾けないですね。ピアノと合わせるのがすごく難しい。当時はダメダメ新入社員の憂鬱な気持ちで弾いてました(笑)。

2楽章(9:10~)は軽快で好きです。バイオリンソナタ(Op.134)の2楽章で使われているフレーズが出てきたりもします。下に貼っておきますので、興味があれば聴き比べてみてください。

3楽章(17:05~)はとてもきれいなのですが、今の私には演奏不可能です。天の光が差しこみ、魂が天に召されていくような、とても神秘的な曲です。できるものなら、何年かかってでも演奏できるようになりたいですね。


▼バイオリンソナタ(Op.134) 2楽章は10:57~